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聴こえることだけ聴いて、見えるものだけ見ていた/雲谷ナツ

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聴こえることだけ聴いて、見えるものだけ見ていた/雲谷ナツ

「わたしは難聴であることをもう欠陥だとは思わないし、誇りだとも思わない。
自分を否定し続けた過去はたしかにあっても、それを否定することはしない。
ただただ、そうである。それだけ。」
(本文より)

感音性中等度難聴。
わたしはそれを生まれもった。そのことを、ずっと人に打ち明けることができなかった学生時代と20代であった。
教員となり一児の母となり悩んでもがいて歩き続けて30代になって、すう、と息をついたとき、なんだか凪いだ場所にたどりついていた。もう隠すのはやめようか。
自身の難聴にまつわるできごとや感情を回想したエッセイ。



雲谷ナツさんの作品を読みながら考えていたこと。
私たちが普段耳や目から受容しているものなんてものは、実はごくごく一部でしかない。耳で聴こえているし、目で見えているけれど、頭で認知することもなく過ごしている対象。

この世界には、それらが、あまりにも多く存在している、ということ。

オンライン講座の字幕の有無、美術館の音声ガイドの声質、
そして「障害受容」という概念。

ナツさんは中等度難聴を「受容」し、周囲に伝えることで、ナツさん自身の見える世界が変わったという。

先日ナツさんと会ってお話をする機会があった。
ナツさんの世界が変容したのは、ナツさんの人柄があってのことだとも(私は)思っている。

ぜひ、読んでみてください。
爽やかな読後感が味わえます。





【作者プロフィール】
雲谷ナツ(くもや・なつ)

山を歩いて、映したもの。
生まれもった中等度難聴の耳で、聴いたこと。
そのことを書いたり、ZINEをつくったりしています。
アイスコーヒーとスコーンが大好き。

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